今回は、物語文を自分で作って書く練習です。作文や論文についても書いてきましたが、今回はそれを都立受験、県立受験問題に生かします。
国語全体の力を引き上げる練習になります。
物語文を書くとは
以下の言葉を自由に使い、物語を作りなさい。
- けん
- きょうこ
- くみ
- プール
- 高校生
このような練習になります。軽くですが書いてみますね。
きょうこは夕方、日課である犬の散歩に出かけた。すると、高校生と一緒に歩いているくみを見かけた。きょうこはとっさに隠れた。
くみは今日、プールの練習があるから遊べないと言っていたはずです。
そのくみがなぜここにいるのだろう。あの高校生は誰だろう。
きょうこはドキドキが止まらなかった。プールの練習があるからと遊ぶのを断られたのは嘘だったのだろうか。
それにあの高校生。見てはいけないものを見てしまったような気がしてならなかった。
「明日、私はくみと普通に話せるのかな」
大きな不安を感じながら、くみが歩いていく姿を見ていた。きょうこはしばらくその場を動くことができなかった。
「わん!わん!」
きょうこは、はっとした。私は何があってもくみの親友だ。明日きちんと聞いてみよう。
「いこう!けん!」
きょうこは力強く走って帰っていった。
いかがでしょうか。あくまで設定は自由ですから、どのように使ってもいいのです。
大事なのはきちんと物語になっているか、心理的な描写があるかどうか、などです。
「けん」はどこで出てくるのだろう?高校生がけんなのかな?そう思わせながら、実は犬がけんだったという書き方ですが、そういう風にわざと書くというのも面白いものです。
また、きょうこと、くみは何歳に思えましたか?高校生と歩いているところを見て、見てはいけないものを・・・と描写したので、何も書かずとも中学生くらいかな?と思っていただけたと思います。
書きながら、「こう書くと読んでる人は、こう考えるのかな?」
そういう思いを巡らせるだけで、「感情を読む(予想する)」練習になります。
また、上記の物語にあるように。私は何があってもくみの親友だ。という言葉。これを書く時に、きょうこの立場を一生懸命考えるはずです。
このように、自分で主人公や登場人物の「気持ち」を想像しながら書き、また、書きながら読み手の「気持ち」を予想することが出来ます。
ですから、この物語に慣れることで、気持ちを考える力は一気に養われます。
物語を書く練習は、読む練習を含む
作文や論文と違い、物語を自分で作って書くということは、誰かに読んでもらうことを、明確に、強く意識して書くことになります。
ですから、書きながら何度も何度も自分で読み直すことになります。
「あれ、なんか変かな?」
「こういう表現の方が伝わるかな?」
というように、どういう言葉がベストなのか言い換えて言い換えて考えるのです。
こうして何度も読み直すということは、それだけ文字を読んでいるということになります。こうして知らず知らずのうちに、読む練習にもつながっていくのです。
是非、物語文を書くという練習をしてみて下さい。
もちろん、私に見せていただければ感想等送らせていただきます。お問い合わせフォームよりご相談下さい。
また、作文を書く練習方法や、「作文と論文の違いについて」はこちらの記事もあわせてご覧下さい。
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最後に
ただ、書くというわけではなく、登場人物の設定、人間関係やその背景など、様々なものを自分自身で1から、いえ、0から作り上げていく必要があります。
ですから、物語を書くというのは作文や論文より、はるかに想像力が必要になります。
ちなみに、この「想像力」ですが、私は国語の受験問題を解く上で、最も必要になる部分だと思っています。なぜ、想像力が必要なのか。
それについては受験問題の解き方のコツコーナーでいずれ書かせていただきたいと思います。これに関してはまだまだ先の執筆になると思います。
まずは夏期講習で、受験の土台作りを頑張りましょう!