作文、論文を特訓する理由についてご説明します。私の学習塾では、国語力を高める方法として、夏期講習や冬期講習では作文や論文を多く書いてもらっています。
作文の力がつくと、都立高校受験でも大きな武器となりますので要チェックです。
もくじ
作文力は国語力の源
3歳までにしゃべる力は身に付くというお話を以前書きました。こちらですね。
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口語体においては、日常から使っているので特に問題ないかと思います。しかし、文語体に関しては、読むことはあってもなかなか書く機会がありません。
読むのと書くのでは全然違います。読んでいて、なるほどと思っても、それを誰かに向けて文語体で発信することは本当に難しいことなのです。
今書いた「難しいことなのです」という言葉も、「難しいことなんです」と書いてしまう子はたくさんいます。
きちんとした文語体で書けるようになると、多くの場面で役に立ちます。
推薦入試は600文字作文
都立高校の推薦入試で行われる作文は、ほとんどが600文字以内の作文や論文になります。400文字で書くことには慣れていると思いますが、600文字になると全然違ってきます。
400文字という文字数は、起承転結で書くには非常にリズムも良くなるし、書きやすい文字数と言われています。
書きたいことを書けるだけの容量としては十分であり、ネタ切れを起こしそうになる頃には終わってくれますからね。
それが600文字になるとどうでしょうか。
一気にネタ切れリスクが高まります。書いていくとわかります。300文字を過ぎたあたりが最初のポイントなのです。400文字であれば、転、結に向かい、話をまとめていくタイミングです。
しかし、600文字となると、そこからまだ話を広げていかなくてはならないのです。
これは書くことに慣れていない生徒たちにとっては、非常に厳しい要求です。無理に話を延ばそうとすると、読み手にはすぐバレてしまいます。
私も生徒の作文を読んでいると、ネタ切れで無理やり延ばした作文はすぐにわかります。
無理のない文章にしようとすると、数行消さなくてはいけないと思うと、面倒にも感じ、無理やり書こうとすると日本語がバラバラだったり、書きたい内容が前後してしまう。
300文字を過ぎたあたりは、そういうお悩みポイントなのです。
都立一般受験では200文字作文
こちらは200文字ですね。50分のテスト時間の中で、200文字とは言え、作文を書かなくてはいけないのです。もう何十年も200文字作文は出題されていますので、恐らくは今年も出るでしょう。
たった200文字とは言え、10点もの配点があります。
起承転結を誤字なく文語体で書けるだけで、かなりの点数をもらえる部分なので、絶対にきちんと書きたいところです。
しかし、この200文字もなかなか厳しいものがあります。書きたいことを書こうと思ったら途中で終わってしまった・・・ということになってしまうことも多いと思います。
この600文字作文と200文字作文、どのように練習すればいいのでしょうか。
400文字作文を書く
まずは400文字作文を書いてみましょう。一番書きやすい文字数ですね。
そしてその400文字作文と同じ内容を600文字に延ばしたり、200文字に縮めたりするのです。
まずは600文字です。書く前に400文字作文を繰り返し読みます。そしてどこを延ばすのかきちんとシミュレーションをします。作文は計画性が大事です。
行き当たりばったりで書いて止まってしまうと、なかなか再開出来ません。
どこの話を発展、広げていくかきちんとシミュレーションしてから書いてみて下さい。
また、200文字に縮める際も、400文字作文をよく読んで下さい。
そして、どこを削っても話の大きな流れに影響がないか(少ないか)考えてみましょう。そしてそれをどのように削れば文章としておかしくならないかも考えましょう。
慣れてくれば、いきなりその文字数の作文も書けるようになると思います。
最後に
文を書くことに慣れれば、自然と文を読む力も付きますし、読むのも速くなります。受験に向けていいこと尽くしなので、是非作文や論文を書く練習をしていきましょう。
追記:作文と論文の違いについて記事にしました。是非受験対策の参考にして下さい。
作文と論文の違いとは
作文と論文の違いについて解説していきます。中学3年生の高校受験問題では、「作文を書きなさい」「論文を書きなさい」と明記されますので、きちんと把握しておく必要があります。 特に推薦入試で「逆」を書いてし ...
お付き合いありがとうございました。