今回は中学生の国語の勉強方法についてお話します。国語というのは掴みどころのない科目として扱われやすいです。よく、正解は1つじゃない。自由な発想などと言われます。しかし、受験問題において答えは1つしかありません。
国語の力は他の科目へも波及するほど影響が大きい科目ですので、正しく勉強をし、理解を深めましょう。
論理的思考と想像力
私が国語に必要だと思っている大きなものです。少々難しく見えてしまいますが、説明を見ていけば難しいことではないな、と思っていただけるでしょう。論理的思考・・・この〇〇的思考というのにはたくさん種類があり、全て難しい言葉が使われています。
しかし、用語なのでそう見えるだけです。とりわけこの論理的思考というのは簡単なことです。「なぜそうなったのか」「なぜそう思ったのか」を理屈で説明できる考え方だと思っていただければ遠くはありません。
国語で、このような問題が出たとしましょう。
B君はA君から借りていた大切な漫画にジュースをこぼしてしまいました。それを知ったA君はたとえ親友でも許せず、大声で怒りました。
B君は泣きながら心を込めてA君に謝りました。A君の表情は一瞬笑みを浮かべたように見えましたが、すぐにまた曇ってしまいました。
『この時、A君はB君に対してどのような気持ちでいましたか？40字以内で説明しなさい』
この答えを考える時、単純にその場面のみにスポットを当ててしまうのが国語が苦手な子の特徴です。すぐに表情が曇っているわけだから、怒りが消えない様子を答えに書いてしまうことでしょう。A君とB君との間にどのようなことがあって、今の場面になっているのかを考えます。
そして自分でその立場だったとすると、どのように感じるか、どう思うかというのを、自分と友達に置き換えて、つまり想像をして考えるのです。たったそれだけで国語の考え方は大きく変わってきます。
この問題の答えがこうだったとしましょう。
絶対に許したくない気持ちと、親友を失いたくない気持ちで複雑な思い。
許したくない気持ちの原因が、B君に一番大切な漫画を汚されてしまったこと。親友を失いたくない気持ちに関しては、B君がわざと汚したわけじゃないということと、小学生の頃からの親友だということ。この2つの感情が絡み合ったA君の心の葛藤を表現されています。
もちろん、もっと前の文章などから、この2人の関係をさらに知ることでさらなるヒントを得られると思います。
- なぜ怒ったのか（漫画を汚されたから）
- なぜそうなったのか（B君がジュースをこぼしたけど、わざとじゃない）
- なぜ一瞬笑みを浮かべたのか（B君の謝罪を受けて許そうと思ったから）
- なぜすぐに表情が曇ったのか（やはり大切なものを汚されて悲しい気持ちが大きかったから）
このように一つ一つの「なぜ」をつなげていくことで、A君の気持ちを理解することができます。このような考え方を論理的思考といい、普段の生活にも簡単に取り入れることができます。国語力の飛躍的なアップには欠かせない部分になります。
自分の立場に置き換えてみる
次は想像力ですね。これはいわゆる感情移入が苦手な子のために、置き換えを使って想像するというものです。A君を自分、そしてB君を自分の親友、もしくは家族などに置き換えてその場面を想像してみるのです。
大切な漫画がなければ、大切なゲームや大切な洋服などに置き換えてもいいですね。
自分のゲームを親友に貸した場面を想像します。そして「おもしろいね」と話し合ってるところも想像しましょう。しかし、親友がジュースをこぼしてゲームが故障してしまいました。
あなたは激怒しました。本当に大切にしていたゲームを壊されたのです。とても怒っています。しかし、それを見た親友は泣きながら必死に謝っています。その姿が目に浮かべば想像の完成です。
ただ単に怒っているだけの自分ではなく、こんなに謝ってるのに許さないのはかわいそうだな、許さないでこの関係が壊れちゃったら嫌だな。そういう気持ちが出てくることまで容易に想像ができたはずです。
このような考え方をするだけで国語の力は大きくアップするはずです。私は東京都民ですから、毎年都立受験対策をしていますが、公立高校受験であれば県立高校も同じです。国語の受験問題の読解では、この想像力こそ攻略の鍵になると私は考えています。
まとめ
今回お伝えしたかったのは、国語の力を大きくつける要素である、論理的思考と想像力です。突然そんなことができるわけがないという意見がありましたら、それも正しいと思います。
ですから、普段の生活からこのような考え方を取り入れるようにしていくことで、当たり前に使えるようにしましょう。また、漫画でもいいので本を読んでみましょう。なぜ漫画でもいいかについてはまた追って記事に書きます。