中学生にとって英語は新しい科目です。最初のうちは皆がわからない状態なので、授業の進みも遅く苦労はあまりしません。しかし、文法が始まると突然一気に加速したかのように感じてしまいます。
遅いペースだったのがフェイントされたように加速するので、急にわからなくなり、そのまま次の範囲も、また次の範囲もわからなくなってしまいがちです。
もくじ
言語だということを意識する
科目というイメージを持ったままだと勉強という意識が強すぎて敬遠されてしまいがちです。確かに中学生にとって英語は科目の1つですが、英語は言葉なのです。
今、私がこうしてあなたがたに向けて言葉を書いているように、毎日家族でお話するように、毎日友達とお話するように、自然なものなのです。
3歳までに意思疎通が可能になる
赤ちゃんは生まれてからおおよそ3年前後で意思疎通ができるようになります。単語しか話せなかったのが、いつの間にか連語を覚え、文法を覚えます。
日本では日本語を話していますので、3歳までに日本語を大体マスターすることになりますね。日本語は世界でも難易度の高い言語です。それに対して英語の難易度は低いと言われています。
そう考えれば、中学の3年間でできるようになるはずなのです。
英語がわからなくなるきっかけ
まず最初にアルファベットを習います。大文字と小文字の両方です。小文字で苦労する子もいるかと思いますが、大体ここはなんとか覚えられることでしょう。
「Hi!」「How are you?」のような会話文が出てきますが、大体がそのまま覚える文なのでここも少々時間をかければ問題ないはずです。
I play tennis.
私はテニスをします。まだ平気ですね。
He plays tennis.
プレイズ?なんでsがつくんだ?中学1年生の最初の疑問です。通称「3単現のs」と言われるものですが
「3人称」「単数」「現在」の文である時、動詞にsがつきます。
この説明を聞いて誰がわかるのでしょうか?中学1年生で簡単な単語による会話しか習ってない状態でいきなり3単現のsと言われても何のことだかわかりません。
ここで、まぁよくわからないからいいやとなる子はものすごく多いです。そしてそうなってしまうと疑問文、否定文で全くわからなくなってしまいます。
それどころか、テストで×をされても、なぜ×なのかが全くわからない状態になります。
そうなってしまえばもう英語嫌いのできあがりです。その先はどんな単元になっても「どうせわからないだろう」という意識からほとんど勉強をしようとしません。
これが英語ができなくなる一番の理由であり、多くの子に起こることです。
三単現のSについてはこちらに詳しく解説してあります。
三単現(三人称・単数・現在)のsで躓いた子のために
三単現のsは、中学生が英語で最初に躓くポイントです。このつまずきポイントですが、最初のつまずきポイントというだけでなく、最大のつまずきポイントでもあるのです。 そしてこの三単現のsは高校受験、卒業後も ...
日本語からひも解く英語の勉強
上記の例ですが、まず3人称というものがわからないのです。そもそも「人称」という言葉など、13年間で聞いたことがどのくらいあるでしょうか。
恐らくほとんどないと思います。そんな馴染みのない日本語を馴染みのない英語の授業で言われてもわかりません。まずは1人称とは何か、2人称とは何かを完全に理解してから3人称を理解するのです。
「単数」という言葉は1つ、1人という意味で簡単ですが、3人称という言葉が理解しにくい状態で、その後ろにくっついているため理解しにくいのです。
「現在」は現在形の文ということですが、そもそも過去形も未来形も、現在進行形すら習っていないんです。それなのに「現在の時だけsがつきます。」
こう言われてしまっても比べる対象の文がないのでよくわからないはずです。
3語で言いたいことを話す
日本語で相手に何かを伝えたい時、ほとんどのことが3語で十分です。大筋の部分は3語で伝え、さらに詳しく伝えたい時はそこに言葉を加えます。
これは英語であっても同じです。
1.私は、あなたが、好きです。2.彼女は、ケーキを、作りました。3.彼は、本を、読みます。全て3語で言えますね。英語に直しても、「a」や「to」などを除けば基本的に3語です。
- I like you.
- She made a cake.
- He reads a book.
3語で言えちゃいますよね。結局言語なわけですから、考え方そのものは難しくないのです。「3単現のs」「過去形」「1つの時は名詞の前にaをつける」
などなど細かいルールが多くあるので、途中でパンクしてその先を覚えようとしなくなってしまうのですね。そして学習塾に通うと大体わからないところに戻って授業をされます。
英語の点数を簡単に上げるコツはこちらをお読みください。
中学生が英語のテストの点数を簡単に上げるための勉強方法
今回は中学生が英語のテストの点数を簡単に上げるための勉強方法について書いていきます。今回のテーマは、実力以上に点数を取るという観点で書きますが、一番は地道に努力をして実力をつけることです。 それでもな ...
大切なのはイマ
何度も繰り返しになりますが、大切なのはイマです。塾で1年生の頃の復習をしてもイマ学校でやっていることは全然わかりません。
先生は「1年生の範囲がわからないと、ここもわからないんだよ」と言うでしょうが、子どもにとって大切なのは1年生の範囲をわかることではありません。
英語が苦手な子は授業中当てられるんじゃないかとびくびくしてしまうのです。私がそうでした(笑)ですから少しでもイマを知りたいのです。
こちらの記事を参照して下さい。
正しい勉強方法について
私の学習塾に入塾する際、よく相談される内容がこの正しい勉強法についてです。「勉強しようと思っても勉強の仕方がわからないみたいなんでそこから教えて下さい」という相談ですね。 しかし、正しい勉強方法という ...
最後に
子どもが学校の授業を楽しく受けるためには、とにかく「今やっていることがわかる」ことです。クイズの例でも説明しましたね。
クイズの例はこちらです。
学校の定期考査・成績が伸びない理由とは
子供の学校のテスト、成績が伸び悩んでいる親御さんは多いですよね。今、このページをご覧になっているということは、同じ悩みをお抱えになっているのではないでしょうか。 大丈夫です。私の親も私が中学生の頃、恐 ...
ですから、多少過去の範囲を置いたままにしても、まずは英語の教科書本文の単語、熟語、本文の和訳を予習して下さい。そうすることで授業中に先生の話すことがわかり、面白さを感じることができます。
復習はそれからでも遅くありません。子どもの気持ちを最優先にしてあげてください。