昨今では学習塾のメインスタイルが個別指導塾となってきました。以前のような集団授業の塾は少しずつ減っていき、個別指導や少人数制指導に移っていっています。
この個別指導というスタイルではどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。学習塾を探す際の参考にしていただければ幸いです。
個別指導塾とは
個別指導塾とは先生1人に対して生徒1~4人で授業を行うことを言います。最近では先生1人に生徒2人までとする個別指導も出てきていますが、一般的には1対4までを個別指導という枠組みに入れます。
集団授業や少人数制指導塾と比べて価格は高額になる傾向にあります。1対4程度であればそこまで高額にはなりませんが、1対2、1対1になるにつれて料金は上がっていきます。
授業形式の多くは、机を並べて横に座り指導をします。例えば先生1人に生徒2人の授業ですと、先生が真ん中に座り、両脇に1人ずつ生徒が座って授業を受けます。左側の子に説明をし、問題を解いている時間を使い右側の子に説明をする流れですね。
また、同じ教室内では他にも多くの授業が行われています。隣ではパーテーションと言われる小さな区切り板を挟んだだけで違う授業が行われているのです。
近くの授業の話声は、はっきり言って丸聞こえです。個別指導だから集中できるというのは少々誤解があります。あくまで個別指導であって、個室指導ではないのでよく覚えておいて下さい。
どんな先生が教えてくれるのか
個別指導塾は、生徒1人、2人に対して1人先生が必要になります。集団塾のように、生徒20人に対して先生が1人いればいいというわけではありません。
学習塾もビジネスであり、利益を出す必要があります。少し考えればよくわかってしまうことなのですが、この個別指導塾というビジネスモデルでは、多くの先生を雇う必要があるのです。
しかしながら、いかに集団塾よりも高額な授業料であっても、講師全員をプロの先生にしてしまうとお給料が高額になってしまい、ビジネスモデルが成り立ちません。
そのため、大学生などのアルバイトを非常に多く雇うことになってしまうのです。せっかく高額な授業料を支払っても、教えてくれるのが指導経験の少ない大学生のアルバイトでは困りますよね。
どこの塾に行くかで授業料は違いますが、どの先生に教えてもらうかで授業料は変わりません。ですから、個別指導塾に通う際(すでに通っている方も)は、どんな先生に教えてもらえるのか(指導経験や受験指導経験等)きちんと確認をしておくことが大事です。
テキスト代は絶対に確認
学習塾や家庭教師を選ぶ際、見えている金額だけを鵜呑みにしてはいけません。生徒を指導するビジネスでありながら、騙すような広告が多いことを私は非常に疑問に感じています。
入塾料等、誰もがすぐに思い付く部分は無料にして、お得感を出していますが、「冷暖房費」「教室維持費」等の名目で別途料金がかかるケースも残念ながら目立ちますので、「授業料以外に何か料金がかかりますか?」とあらかじめ聞いてみることをオススメします。
また、テキストがオリジナルテキストであることが多く、一般的なテキストの数倍の料金で販売されることも多いです。ですからテキスト費がいくらになるのかも聞いておきましょう。
生徒1人1人に理解の差があるから個別のテキストが必要
という売り文句でのオリジナルテキストですが、私の個人的な意見としましては
学校の定期考査や受験問題は全員同じ問題を解くわけだから同じテキストを使うのがベスト
だと思っています。
個別指導塾のメリットとは
個別指導塾のメリットについて考えます。少々ネガティブなことを書いてきましたが、もちろん大きなメリットが存在します。まずは箇条書きであげてみます。
- 自由に授業日時が選べる
- 1年前の内容でも教えてくれる
- 質問するのが恥ずかしくない
- わからないまま進んだりしない
- 先生と仲良くなれる
まず、授業時間を自由に選べますので、部活で忙しい子には向いていると思います。集団塾ですと、「中学2年生の数学は木曜日の19時から」のように決まってしまっていることが多いですからね。
また、わからないところから教えてくれますので、過去にわからないまま疎かにしていた部分でも聞くことができますし、大勢の前で手を挙げるわけではありませんから質問も気楽にできます。そしてわかるまで先に進んだりはしません。
最後の先生と仲良くなれる、ですが私はここもかなり重要視しています。
学校のテストで良い点を取るというのは、生徒と先生による同じ目標なのです。ですから「一緒に頑張ろう!」と思いあえる仲になれれば、生徒のやる気は大きくアップします。
やはり中学生のうちは、同じ時間勉強をするにしても、「やる気」の度合いで大きく結果が左右することになりますので本当に大切な部分です。
最後に
どんなに有名大手の塾であっても、教えてくれる先生が有名でプロというわけではありません。直接関係してくるのは教えてくれる先生ですのできちんと確認しましょう。
また、大切なのはその塾に何人の生徒がいるか(多くの生徒がいるか)ではなく、退塾率に注目してみて下さい。周りのクチコミでしかわからない部分ですが、入塾する時の理由は曖昧です。「有名だから」「CMで見たから」等。しかし、退塾するには明確な理由が存在するからです。
大切なお子さんの学習塾です。勢いで選ぶのではなく、一歩引いて調べてみてはいかがでしょうか。