乗法公式が終われば次は因数分解です。学校によっては素因数分解が先のところもあるかと思います。乗法公式と因数分解は切っても切り離せない関係にあります。
もしも乗法公式の理解がまだ甘いと思うのであれば、先に乗法公式をきちんと理解しましょう。
「私は因数分解が知りたいの!」
わかります。ハシビロ先生が中学生だった頃も、その範囲が知りたいだけなのに、前の範囲に戻って教えてくる先生がいて、面倒な先生ということで特に女子に嫌われていました。
しかし、その先生が言っていた意味が今ならわかります。っというわけで乗法公式は絶対完璧に近いところまで理解した上で因数分解にいってみましょう!
乗法公式・式の展開の解き方
中学3年生になって最初の範囲である、乗法公式・式の展開の解き方について説明していきます。乗法というのはかけ算のことですので、かけ算の公式ということになります。 中学2年生までに習った「分配法則」は、式 ...
まずは文章で解説をしますが、最後にはわかりやすくするために授業動画をアップしておきますので、家で繰り返し見て理解出来るように頑張ってみて下さい。
もくじ
乗法公式の反対が因数分解
カッコを使ったかけ算で、カッコを外すのが乗法公式や式の展開ならば、その逆にカッコの中に入れて、カッコの外にプラスやマイナスという記号をなくすことが因数分解です。
- (a+7)(a-5)=a2+2a-35・・・乗法公式(式の展開)
- a2+2a-35=(a+7)(a-5)・・・因数分解
一応書いておきますが、(a-5)(a+7)でも意味は同じになります。
これは3年生の範囲ですが、実は中学2年生の時にも因数分解に触れています。
それは文字式の証明という範囲で使ったはずです。こんな書き方を覚えていませんか?
11a+11b
=11(a+b)
(a+b)は整数なので、11(a+b)は11の倍数となる
これは「共通因数をくくりだす」という立派な因数分解です。それぞれの項に共通してかけられている数字(因数)を外に出し、カッコの中にその残りを置いてくるイメージです。
5x+20y-25ならば、全ての項に「5」が共通してかけられているのがわかります。ですから、その5をくくりだし、かけられている残りのものをカッコの中に書きます。
5(x+4y-5)となります。
合ってるかな?と不安な時は、また逆をすれば検算(確かめ算)もすぐに出来ます。
分配法則を使って式を展開すればいいだけなので、5(x+4y-5)を分配法則で5x+20y-25になることを確認すれば、自分の答えに自信を持つことが出来るでしょう。
乗法公式の考え方を使った因数分解
乗法公式では4種類(大きく分けるなら3種類)あると説明しました。
- (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
- (a+b)2=a2+2ab+b2
- (a-b)2=a2-2ab+b2
- (x+y)(x-y)=x2-y2
こちらですね。この4つをそのまま逆にしたものが因数分解になるわけです。では、どうやってカッコの中に戻していくのかを考えていきましょう。
1番に関しては、数字を入れて例題で考えてみます。
- x2-5x-14を因数分解しなさい
この場合、最後の部分である-14に注目します。かけ算をして-14になる組み合わせを考えるのです。
-1×14
-2×7
-7×2
-14×1
いいですね。そして今度はこの中から、たし算をして-5になる組み合わせを探します。
すると、3番目にある-7×2というのが、-7+2=-5で当てはまりますね。
かけて-14、たして-5になる組み合わせである-7と2をカッコの中に書いてみます。
(x-7)(x+2)ですね。ではこれを乗法公式で展開してみましょう。もう暗算で出来るはずです。x2-5x-14となり、きちんと問題と同じ式が出てきましたので、確かめ算も完了です。
複雑な因数分解の解き方
因数分解の範囲では、「x2」、そう、このxの2乗の項に係数がつくだけで急に難しそうな威圧感を感じるものです。
x2-5x-14なら見た目で威圧感はないのに、4x2-12x+9という問題は見た目で難しいオーラが出ていると思います。私も中学時代本当に嫌だと思っていました。
しかし、発想の転換です。実はこれ、全て見掛け倒しです。
x2の項に係数がついている時(x2の前に数字がついている時)、ほとんどパターンが決まってしまうのです。
- 共通因数があってくくりだすタイプ
- 2番(3番)の解き方タイプ
- 4番の解き方タイプ
たすき掛けというやり方をする時もあるのですが、とにかく基礎が大事なので、そこは考えず、この3パターンである可能性がほとんどだと思い込んでおいて下さい。
共通因数をくくりだすタイプかどうかは、全ての項を1回見ればわかるでしょう。
また、4番タイプの解き方は見た瞬間にわかります。なぜなら真ん中の項がないので、他の問題と比べて見た目がスッキリしていて、パッと見でわかってしまうので最も簡単です。
解き方も簡単です。
x2-y2というタイプの問題は、左も右も、必ず何かの2乗になっています。
( )( )の左側には左側の「何か」を、右側には右側の「何か」を入れ、右側の符号だけ変えてあげればいいだけです。
わかりにくいので例題を出します。
- 9x2-16を因数分解しなさい
9x2の数字である9は3の2乗です。つまり9x2というのは、3xの2乗です。ですからここで言う「何か」は3xとなります。同じように右側の「何か」は4になります。
ですからまずは(3x 4)(3x 4)と書き、右側だけ符号を変えるので、(3x+4)(3x-4)と書いて完成です。もちろん確かめ算も簡単に出来るので、必ず行いましょう。
(a+b)2タイプの因数分解
こちらも特徴的で、見た目は最も難しそうに見えるものの、実はとても簡単です。
これの特徴は、左側と右側が必ず「何か」の2乗になっていることです。もちろん真ん中は2×左×右という形になっているはずですが、解く上でここは気にしなくていいです。
- 4x2-20xy+25y2を因数分解しなさい
左側は2xの2乗で、右側は5yの2乗になっていますね。真ん中はプラスかマイナスかだけ考えて下さい。今回は「マイナス」ですね。
では作業です。
- カッコの左側に左側の「何か」を書いてみる(例題の場合は2x)
- カッコの右側に右側の「何か」を書いてみる(例題の場合は5y)
- 真ん中の符号と同じ符号を真ん中に書く(例題の場合は「マイナス」)
- カッコの外に2乗を書く
- 真ん中が2×左×右になっているか確認する(確かめ算と同じ意味)
- なっていれば完成
(2x-5y)2と書いてみるわけですね。あくまで書いてみるです。確実に合っているわけではありませんからね。
この時点で左側と右側が正しくなるのは間違いありません。あとは真ん中次第です。
今回の2×左×右は、2×2x×(-5y)となるので、-20xyとなります。問題通りになっていますね。
これで正解だと自信を持って言えるわけです。
一見難しそうに見えるような複雑な式でも、それはあくまで「難しそうに見える」だけです。なぜなら範囲が決まっているので、それ以上に難しい問題を作ってはいけないのです。
ですから、先生たちは難しい問題よりも、難しそうに見える問題を作るのです。
落ち着いて冷静に、いつも通り解けるようにしましょう。
無料動画授業で因数分解を見る
文字、文章だけでお伝えしてきましたが、やはり動画の方がシンプルにわかりやすいかと思いますので、音が出ても大丈夫な環境ならば、是非動画で授業を見て下さい。
このページの内容と照らし合わせながら見るとなお良いですね。
その他の範囲や、予習したい範囲なども動画配信されている可能性があるので、チャンネル登録などをし、勉強したい範囲で動画検索などもしてみて下さい。
複雑な因数分解で説明した内容は下の動画になります。
最後に
いかがだったでしょうか。乗法公式がわからないと、この因数分解という範囲が出来ないように、この因数分解という範囲がわからないと、平方根の次に出てくる二次方程式がお手上げになります。
今のうちに因数分解がしっかりわかるようにしておきましょう。
英語の三単現のSなどもわからなかったら早い段階でチェックしておきましょう。2年生では動詞の原形を使うことが多く、3年生の前半では過去分詞形をよく使います。
しかし夏休み以降はきちんと三単現のSもたくさん使いますからね。
三単現(三人称・単数・現在)のsで躓いた子のために
三単現のsは、中学生が英語で最初に躓くポイントです。このつまずきポイントですが、最初のつまずきポイントというだけでなく、最大のつまずきポイントでもあるのです。 そしてこの三単現のsは高校受験、卒業後も ...