中学3年生になって最初の範囲である、乗法公式・式の展開の解き方について説明していきます。乗法というのはかけ算のことですので、かけ算の公式ということになります。
中学2年生までに習った「分配法則」は、式の展開になります。
もくじ
( )の外し方
3(2x+5)=6x+15
これが分配法則でした。3をカッコの中の両方にかけるわけですね。3×2xで6x、3×5で15になり、6x+15という答えが導き出されます。
3年生になると、多項式のかけ算が出てきます。
(a+b)(c+d)
このような問題です。(a+b)×(c+d)という意味になり、一見どうやって計算すればいいのかわからないですよね。この問題も分配法則と似ていて、順番にかけ算をします。
- a×c
- a×d
- b×c
- b×d
この順番でかけ算をすることでカッコが外れます。
ac+ad+bc+bdとなり、これが答えとなります。この時、同類項があればもちろん項をまとめます。今回の例題では同類項がないので、これでおしまいとなります。
これが多項式のかけ算であり、式の展開というものです。
乗法公式の解き方
乗法公式には3種類ありますが、厳密に言えば4種類あるようなものなので、ここでは4種類に分けて説明していこうと思います。
- (x+a)(x+b)
- (a+b)2
- (a-b)2
- (x+y)(x-y)
この4種類になります。2番と3番で後ろについている2は、2乗の意味です。この4種類も、カッコを外すわけなので、式の展開のように4回かけ算をするやり方でも出来ます。
しかし、乗法「公式」と呼ばれるくらいなので、もっと簡単に解くことが出来ます。
- (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
- (a+b)2=a2+2ab+b2
- (a-b)2=a2-2ab+b2
- (x+y)(x-y)=x2-y2
このように、この4種類に関してはほぼ暗算で完結してしまうほど簡単なのです。
かなり複雑な式で問題を出されても、この4種類の公式に当てはまる問題に関しては本当に簡単で、暗算で解けるものばかりなので、きちんとこの4パターンは覚えておくようにしましょう。
ですが「公式」というのは、便利である反面、イレギュラーに弱いという面があります。
きちんとパターンに当てはまった時しか使えないのです。
例えば1番に関してですが、xに係数がついてきてしまえば、もう使えません。
このように脆いと言えば脆いのです。
そんな時はどうすればいいのでしょうか。
式の展開は万能
最初に書いた式の展開による4回のかけ算ですが、このやり方は万能です。
「困った時の4回かけ算」
そう思っていて問題ありません。
乗法公式の4パターンに当てはまる時全てでこの4回かけ算は使えますし、この乗法公式が使えないような問題であっても、4回かけ算は使えます。
また、項が増えて、(a+b+c)(d+e+f)というような問題が出てきたとしても、同じ要領で9回かけ算し、同類項をまとめるだけで答えにたどりつくことが出来るのです。まさに万能ですね。
あくまでこの範囲、単元のメインは乗法公式ですので、必ず乗法公式は出来るように覚えておいて下さい。しかし困った時は4回かけ算をすれば答えが出せるということも覚えておきましょう。
乗法公式は絶対覚えること
中学3年生の数学は連続ドラマのように出来ていて、1つわからなくなると次の単元も理解が難しくなってしまうのが大きな特徴です。
ですから、1回つまずくと色々と厳しくなってしまうのです。
後から出てくる因数分解という範囲は、乗法公式の4つを必ず使います。式の展開でカッコを外すのが乗法公式ならば、それをカッコの中に戻す作業をするのが因数分解なのです。
ですから、乗法公式の法則をきちんと知っていないと解くことなど絶対に出来ません。
困った時は4回かけ算すればいいというのは、あくまでテストで困った時に点数を取るためには・・・というお話になるので、練習する時は乗法公式を出来るだけ使いましょう。
授業動画を見て繰り返し練習
この乗法公式・式の展開の範囲の授業動画を配信しています。
文字、文章だけではわかりにくい部分も多いと思うので、是非動画で授業を見て下さい。
※声が出るので音が出ても平気な環境でご覧下さい
その他の範囲の動画も配信していきますので、チャンネル登録をして配信をお待ち下さい。
2回に分けて説明してありますので、理解出来たら次へ進んで下さい。
こちらが1回目です。
こちらが2回目になります。
何度見ても無料ですので、わからない部分があれば一時停止などを利用して、何度でも見るようにしてみて下さい。また、自分の問題集などを解きながら見ることをおすすめします。
最後に
いかがでしたか。乗法公式をきちんと理解することは出来たでしょうか。これから先、素因数分解、因数分解という範囲に進んでいくことになります。
関連性が大きいので、まずは乗法公式を簡単に解けるようになるまで練習しましょう。
因数分解の解説はコチラです。
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