個別指導が多くなってきている学習塾業界ですが、集団授業の塾もまだまだ元気です。特に都立高校など、国公立のトップレベルを目指す子や、私立の上位高校を目指す子の多くが集団授業を選びます。
では、この集団授業というスタイルではどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。学習塾を選ぶ際の参考にして下さい。
集団授業の学習塾とは
集団授業の学習塾では、たいてい先生1人に対して10人を超える規模の教室で対面式授業を行っています。簡単に言ってしまえば、少々規模を小さくした「学校」と同じスタイルということになります。
個別指導塾とは違い、先生1人に対して多くの生徒が一度に受講することになります。ですから価格は個別指導塾と比べると安く設定されることが多く、その分多くの授業のコマを受講しやすくなります。
また、先生も厳選されたプロの方が授業を行うケースが多いので、アルバイト学生や経験の浅い(ない)先生に当たってしまう危険性は薄いと言えます。
教室1つを丸々使って授業を行うことが多いので、室外から雑音が聞こえて気になるというようなことも非常に少なく、先生の授業を真面目に聞ける子にとっては最適な環境が整います。
逆に、学校であまり真面目に授業を聞いていない子は、塾に行ってもあまり授業を聞かないという負の連鎖になってしまう可能性もありますので注意が必要です。
集団授業塾のメリットとは
まずは価格に目がいってしまいがちですが、少々発想を変えていただきたいと思います。価格が安いから出費が少なくて済むという考え方はあまりオススメしません。
価格が安いからこそ、週に多くの回数を通わせてあげられるという考え方を持っていただきたいと思います。子供だちは説明を聞くだけでなく、反復練習をすることでその範囲をマスターしていきます。
家にいるとなかなか復習しないのはどこの家庭でも同じです。塾に行く回数が増えればその分、反復練習に使ってくれる時間も多くなります。未来への投資と思ってこの発想を持って下さい。
また、前述の通り、プロの経験豊富な先生に教えてもらえることが多いです。そういう面では信頼して任せることができますね。
集団授業塾のデメリットとは
学習塾をお休みしてしまう理由を考えてみて下さい。
- 風邪や腹痛などの体調不良
- 部活の時間が延びた
- 家庭の事情
- 台風などで外出が危険と判断
少し考えただけでもこんなにあります。集団授業塾では、その性質上、振替授業が難しく、休んだらその時の授業内容に置いていかれてしまうことになります。
もちろん、定期的に補習等で対策をしてくれている集団塾もたくさんありますので、気になったらあらかじめそういった補習等がどのくらいのサイクルで行われているのか聞いておくといいでしょう。
また、どうしても疲れていてやる気が出ず、その回の授業の内容が理解できなかったとしても、次回はやはり次の内容になってしまいます。わからないまま次の授業を迎えると、さらにわからなくなってつまらなくなってしまいます。
つまらないと、さらに聞かなくなってしまい、負のスパイラルに突入してしまう恐れがあります。
ライバルを見つけ楽しく競おう
集団塾では、違う学校の子と同じクラスになることも多く、新たな出会いがあります。社交的な子はそういった出会いも楽しめると思います。そして何よりライバルを見つけ、色々競い合うことでやる気もみなぎってきます。
塾内テストや、学校の定期考査、都立模擬、全国模試など競えるテストはたくさんあります。爆発的な成長をするのにライバルの存在は欠かせません。お互いを高めあえる素敵なライバルに出会える可能性が一番高いのは集団授業塾です。
〇〇特訓にはご注意を
集団授業塾では、授業料そのものの価格は安いものの、個別指導塾と同じように確認しておくべきことがあります。もちろん、教室維持費、冷暖房費やテキスト費がどのくらいかかるのかはご確認下さい。また・・・
- ゴールデンウィーク特訓
- 正月特訓
- 夏期合宿
- 冬期合宿
このように別途料金がかかる特訓が多いのは集団塾の特徴です。普段の授業料が安い反面、こういった特訓の価格を高めに設定し、「基本的に全員参加」という文言で参加せざるを得なくなってしまいます。
入ってからでは遅いので、きちんと事前にこういった存在の確認はしておきましょう。
最後に
個別指導塾の説明にも書きましたが、やはりどのくらい生徒がいるのか、どのような実績があるのかという面よりも、退塾率を調べてみて下さい。
私の学習塾にきた保護者の方から「塾をやめさせられた」「ほとんど相手にしてもらえなかったからやめた」というお話を何度も聞きました。大手塾では実績作りも大切ですから、全体の足を引っ張ると判断された場合このようなこともあるようです。
大切なお子さんの進路を決める上で大切な選択となりますので、慎重に選んであげて下さい。